フリーランス美容師 西川ゆすけの頭の中

クライアントは演出に髪を切られている

クライアントは演出に髪を切られている




先日、スイーツ好きの女性に「コンビニとか売ってるパピコを新作スイーツっぽく提供する」という趣旨の番組を目にしました。

結果、普段からスイーツを食べ慣れている女性陣は誰一人パピコと気付かず新作スイーツとして楽しんでいました。

これを見て「やっぱスイーツって馬鹿だな」と思うんでしょうか。
「そんな味も分からないのに金の無駄」だと思うのでしょうか。

俺としては、それはしょうがないといいますか…割と当然というか。
そりゃそうなるだろうなぁと思います。

それは別に悪い意味ではなく「誰だってそうなる、俺もそうなる」という意味です。

だって高級っぽいレストランの内装で、それっぽい人が、それっぽく見せたスイーツ(パピコ)ですよ?
そんなの分かる方が少ないですよ。

その「分かる方」と「分からない方」、どちらにアプローチするかが商売の基本、ひいては美容師としての商売の行く末となります。

ちなみに俺は味覚に関しては「分からない方」ですので、ある意味幸せです。何食ってもうまい。マックうまい、松屋うまい。幸せ。

分かる方と分からない方で、優劣とかはありません。
ただ一つ言えるのは、概ね「分からない方」が圧倒的に多いです。

自分の商売方針をどちらに決めるのか、それはまず美容師として考えて当然の事であると思います。
俺はあえて名言しませんし、する必要はないと思ってます。ですが、恐らく見れば分かります。あ、答え笑

というわけでタイトルの話になるのですが、髪を切るということにおいては、何も100%美容師の技術だけではありません。

もちろん、100%にできるだけ近付けようとする人は居ますが人間の提供するものです。100%はありません。

ですが、環境や雰囲気などで100%に演出することはできます。

これが先程の「それっぽいレストランででてくるそれっぽいスイーツ(パピコ)」です。

この場合、多くの人はスイーツを食べてるのではなく、「スイーツっぽく見せてる演出」を食べてるのです。
でも、それが悪いことなんて思いません。
何故なら、そうやって演出するのもとても大事なことですから。

一流の人は演出がうまい。
ここぞというときにここぞという演出をぶつけてくるわけです。

そんなことされたら、心なんて簡単に掴まれますよ。だってそのために技術を磨き、演出を考え、出来うる限りの100%をお客様に伝えようとしているのですから。

演出することはズルいことでもなんでもありません。
演出が、うまい人ほど人を惹きつける力は強くなります。それがカリスマと呼ばれるものですね。

それができない人に限って人の演出を蔑む傾向にあるのは、自分がアプローチすべき対象が定まってない人に多いように見えます。

が、ここで一つ危惧すべきなのは、演出ありきになってしまうことで、技術や提供するものの質が低い場合、それを誤魔化すための演出…そうなってくると本末転倒ですし何より芯がない。

これじゃあいくらやっても100%なんてのは程遠いものですね。

まぁ、サービスを提供される側が「分かる方」だろうと「分からない方」だろうと満足すればいい話ですが、そこに至るまでにサービス提供する側が考えることはたくさんあるということでしたね。




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「美容師と副業」をテーマに、いかに長く美容師を続けるかのために副業を探す現役美容師。美容師・youtuber・オンライサロン主宰のたくさんのわらじを履く人。

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