西川ゆすけです。
美容師を始めてから10年が経ちました。その間、辞めた美容室は4社(うち1社は現在フリーランスで働いている場所)。
4店舗を経て今の私が居ます。
教育と人事に関わる部分もあり、面接・教育・プロデュース等の経験を経てたくさんの辞めていく美容師を見てきました。
もちろん今でも美容師を続けている人もたくさん居ます。
ただ、そういう人たちを見て来てどうしても、どうしても思う事が一つ。
もったいないな、と。辞める前に一度ちゃんと考えてみるのはどうかなと思うわけです。
一度しっかり整理して、道筋を立て、考えてみるのはいかがでしょう。
辞めたくなった人はしっかり考えるべきです。
そもそもなぜ辞めたくなるのか
Twitterで美容師と検索すると、サジェストには【美容師 辞めたい】がランクインしてきますね。
美容師を辞めるというのはたくさんの理由がありますが、ほとんど場合は理想とのギャップによるネガティブな部分が大きくなる点だと思います。
簡単に言うと思ったよりキツい。っていうところですね。
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▶【美容師やめたい】美容師を辞めたらなにが変わる?(おのだまーしー)
思ったよりキツい理由:束縛時間が長い
美容師の労働時間・束縛時間って長いというイメージが一般的になってきて、美容師を志す人たちも「長いのなんて当たり前」という前提で入社してきます。
が、多くの新卒美容師はどれくらい長いのかいまいち分かっておらず漠然とした認識です。
基本的には一日8時間・週40時間・月160時間程度が労働基準として存在します。美容師の平均労働時間は180時間前後とも言われておりすでに超過しているのがお分かりかと思います。
更にこれは平均なので、例えば一日9時間×25日出勤なんて(美容師では)よくある話でこうなると225時間になりますね。
完全に頭おかしい数字です。今までバイト等で経験したどのような業種よりも長く働く可能性が大いにあるというところで、想像以上にキツい思いをされる人は多いかと思います。
思ったよりキツい理由:賃金が安い
これは完全に「働いてる時間の割りにもらえる額が少ない」ということなのですが、恐らく100%の美容師は時給計算をして驚愕した事があると思います。
何よりもその低さ。最低時給なんてのを軽く下回ることもしばしばです。
私も一番低かった時給は500円くらいでした。
思ったよりキツい理由:好きな事ができるのが数年後
いざ美容師になった!と意気込み美容室に入ってみたものの、できる仕事といえば掃除・準備・掃除・準備。
地味どころか、もはや奴隷です。お客さんに触れることすらできません。
美容師を志す上でよく目にする「髪の毛を触るのが好き」とか「人のために何かしたい」とか、そういうのがどうこうの前に何一つ好きな事はできません。
やっと人の髪を切れる!となるのは2年後や3年後となるケースが多く、それまでにモチベーションを無くし辞めるという道をたどる人も居るでしょう。
思ったよりキツい理由:人間関係
美容室というのは、一見すると社交的な場に見えますがその実かなり閉鎖的な空間です。
前述にあるように労働時間も長いという点も相まって家族よりも長く一緒に居る事も多々あります。
同じ面子で延々と仕事をしてく閉鎖的な空間で、もし人間関係にひびが入り不穏な空気になってしまったら。
その原因が自分にあったりとか・ほかの人が原因でそうなったとか、どうあがいても地獄のような空間になります。
思ったよりキツい理由:身体的ダメージ
美容室で使う薬剤は多種多様なものがあり、シャンプーやカラー剤・パーマ液などと物理的に人体に影響を及ぼすおそれのあるものも存在します。
その最たるものが手荒れでしょう。
これがなかなかどうして厄介なもので、今まで生きて来てここまで肌が荒れたりする経験はほとんどできないのです。
シミュレーションもできるはずがありません。つまり、美容師になってからでないと肌が荒れるかどうか分からないわけです。
美容が大好きで、美容師として素晴らしい素質を持っていながら手荒れのせいで断念した人も居ます。
手だけでは無く腕全体までボロボロになりながらも美容師を続ける人も居ます。
加えて立ち仕事という面から腰や足、首などの身体の部位を痛めることもあります。物理的なダメージが故に精神論でどうこうとか我慢できるとかそういうレベルではありません。
これらを解決するのは難しくない
と言った感じで、美容師を辞めたいと思う理由を抜粋してみました。もちろん他にもたくさんあると思います。
それこそどうしようもない理由だったり、周りからしたら甘えと見なされる理由もあったり。
本人からしたら一大事ですので、慎重に考えなければなりません。
こちらは主宰するオンラインサークルでの相談内容。こういう悩みを持つ人の意見交換の場もあります。
それで結局のところ、こういった問題を解決するのか・解決しないのかというのが重要になってきます。
美容室の数はおよそ25万軒。
引用:理美容ニュース(http://ribiyo-news.jp/?p=21541)
チェーン店等を除いたとして、どの県であっても活動範囲内に1000軒以上はあります。
店舗によって環境は大きく違いますから、1000以上の選択肢があるわけです。
ここは美容師として一つの強みになるものだと考えています。
美容師の労働時間というのを効率化し抜本的な働き方改革を行っている美容室は増えてきています。
給与面でも大きく変化が見られ、また昨今の副業等による副収入の幅が増えたことにより解決策は無数にあります。
こうした解決策を考えだす前に辞めるという選択肢を選んでしまう人はとても多いです。
解決策があるにも関わらず、それを知る機会がないために、選択肢に加える事ができません。
それって凄く勿体なくないですか?完全に愛想が尽きた職業とするならまだしも、少なからず未練があるのであれば、もう少し改善の余地はあるはずです。
一人で悩んで、一人で考えて、一人で解決できるのはほんのごく少数であり、一握りの人間だけです。
しかし、たくさんの人の意見を聞き、自分の選択肢を増やしていくのは誰にでもできます。ハードルも低いです。
辞める前に考えよう
美容師を辞める、というのは必ずしも悪い選択ではありません。辞めて転職をした結果、よりよい人生になるというケースもあります。
しかし、美容専門学校を卒業し美容師として従事していた人間にできる仕事は非常に限られてきます。
それは大きなハンデであることは間違いありません。もし、そのハンデを覆せるほどの力があるのであれば美容師でも成功するのではないでしょうか。
美容師を辞めて、何が残るか?と考えたとき、多くの人は何も残りません。
その質問に即答できるのであれば、きっとほかの道を選んでも成功すると思いますし、美容師でもきっと成功できると思います。
ですので、美容師を辞める前にいったん落ち着て少し考えてみませんか?
まずは自分だけで結論を出すのではなく、ほかの人の意見を聞く事も大事です。身近な人の意見も参考にしましょう。
美容アシスタント向けの情報交換の場
こうした悩みを持つ人は非常に多く、その大半が解決策を見つける事なくズルズルと続けたり辞めたりしています。
その現状が何かとても我慢ならん!っていうのもあったり素晴らしい才能が活かしきれずに消えていくのが非常にもったいないので美容アシスタント・美容専門学生・美容師になりたい人向けにオンラインサークルIDEA-online-というものを主宰しています。
同じyoutuberであるおのだまーしー氏と共同で運営しており、二人の得意な分野を活かし全国の参加者と交流・情報交換をしております。
興味のある方はこちらも併せてご覧ください。
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